ごあいさつ


大阪府高等学校芸術文化連盟
会 長    桑 田 芳 治
(大阪府立園芸高等学校長)

 大阪府内のすべての高等学校の新1年生のみなさん、こんにちは! この芸文連ニュースを通じて初めて皆さんにお会いします。大阪府高等学校芸術文化連盟(芸文連)の会長の桑田です。
皆さんは、芸文連と言っても「なんや、それ?」と思われることでしょう。皆さんが入学してから約2カ月、部活動に頑張っている人も多いと思いますが、芸文連は大阪の高等学校の文化部活動を支えている団体で、運動部の高体連と同じ役割を担っています。全国高等学校文化連盟という全国組織があり、芸文連はそこに参加しています。毎年夏休みに、運動部では全国高等学校総合体育大会、文化部では全国高等学校総合文化祭という、勝ち抜いたり、推薦されたりした日本中の高校生の代表が集まる大きな大会がありますが、その文化部の大会(全総文)を主催しているのが全国高等学校文化連盟という組織です。
芸文連は全総文に出場する団体や個人を推薦しています。また、近畿6府県と三重、福井、徳島の3県が加わり、毎年、近畿高等学校総合文化祭(近総文)という行事が開催されていますが、この大会にも芸文連は深くかかわっています。昨年は大阪府でこの近総文がありました。重要文化財の大阪市中央公会堂をメイン会場に約1万人の近畿の高校生が集まり、中国からも高校生が2部門に参加し、日々の練習の成果を披露しあい、交流を深めることができた素晴らしい大会を開催できました。その様子は、このニュースにも掲載しています。是非、読んでみてください。
芸文連はそのほかにもさまざまな活動をしています。毎年1月から2月にかけて大阪府の高校生による高校生のための文化祭、大阪府高等学校芸術文化祭(芸文祭)を開催しています。開催部門は15部門と多くはないのですが、どんどん見に来て応援してほしいものです。また、開催部門以外の演技分野で日々活動しているあなた、あなたの学校の校長先生に推薦してもらって芸文祭の舞台に立つこともできますよ。
その他にも、本物に触れる機会として出前音楽会、出前美術展も学校の申し出に応じて実施したり、劇団四季の鑑賞会も開催しています。鳴門市にある大塚国際美術館へのツアーも実施しています。すべての高校生に参加してもらうことはできないのですが、機会は平等に設けています。各学校での広報に気をつけていてください。
大阪府は全国的に見て、運動部も文化部も入部率が低いといわれています。学校にもよるのですが8割以上の入部率の学校もあれば、実質は2割を切るような学校もあります。入部率の低い学校は、アルバイトをしている生徒が多いようです。生活費や学費のためにというより、ケイタイの費用や遊ぶお金のためという人も多いようです。バイトで学ぶことも多いかもしれませんが、高校時代は部活動が何より大切です。部活動は先輩、後輩のかかわりの中で、貴重な人間関係を作ることができます。目的を一つにして活動することで達成感を手に入れることができます。まだ入部していない人、運動部で今から入部というのは難しいかもしれないけれど、文化部ではまだまだ可能です。自分たちで先生の許可を得て、活動するのもいいかもしれません。ぜひ学校の中で青春を爆発させてください。少しのお金を稼ぐより、学校に居場所を見つけて清貧でいるほうよっぽど楽しいですよ。
どの学校でも、すべての高校生が放課後には部活動で運動場に、体育館に、そして、音楽室や美術室など、学校中が狭いと感じるくらいに生徒の皆さんが活動している、すべての学校がそんな学校になることを私たちは夢見ています。その中で、文化部活動を支えることができればいい、近畿や全国の大会に出場しようという皆さんの応援もしっかりしたいと思っています。1年生の皆さん、先輩にしっかり着いていってください。先輩がいなければ自分たちで作ってください。部活動や同好会活動が高校時代の皆さんを本当に大きく育ててくれます。頑張ってください。
ところで、芸文連ニュースの裏には大阪府内にある文化施設を記した地図を掲載しています。おおよその場所を頭に入れて、ぜひ自分の足と、自分の思いで、積極的に訪ねてみてください。美術館は、お勧めの場所です。非日常な芸術に触れることで、知らなかった自分が少しずつ見えてきます。